はてなの投げ銭システムについて色々考えてみた

ブログ作者に投げ銭を - jkondoのはてなブログ


はてなブックマークはてなポイント送信機能が追加された。はてなのアカウントを取る必要はあるにせよこれでほぼ全てのブログに投げ銭すること、受け取ることが可能になった。
って事でこれが果たして”うまく回る”のかどうか現状ではまだまったくの未知数であるんじゃないかと思うので色々考えてみた。




まず
ブログを最もよく読む人はブロガーである
という原則から考えると
投げ銭をする人も受け取る人も同じブロガーである
という事が言えると思う。どういう事かというと投げ銭で得たお金(ポイント)は投げ銭として使われる、という事だ。
貰ってないうちからいうのもあれなんだけど、この投げ銭で得たお金というのは確実に物凄くうれしいはずだ。これにはアフェリエイトで得るお金とは全く違う意味付けがある。
ちょっと感謝の気持ちを表す、はてなのポイント送信 - どうもyukawasaです

確かに現在はブロガーが収益を得る可能性があるのは、

というところでした。そしてお金の源泉はAdSenseの場合「広告主」、アフィリエイトプログラムの場合は「コマース事業者」といった企業でした。

今回のはてなポイント送信の源泉は「視聴者(又はユーザー)」です。ユーザーは、コンテンツから何かを得た時、それが感動だったり、便利さだったり、ちょっとしたトリビアだったりしたときに、それを作り出した人に直接ポイントを送り、評価をするというのは今後増えていく手段と思っています。

アフェリエイトで得るお金というのはつまるところ「広告主」「コマース事業者」という企業からのものであり、そのお金は「その企業の商品への評価」を必ず含んでおり、更にいうとこれは記事を読んだ人からの評価というよりは企業からの「宣伝してくれてありがとう」という評価、だったりもする。
その点このはてなブックマークからのポイント送信とは純100%のその記事へのあるいはブログへのあるいは書いてるブロガーへの「読み手からの評価」なんである。
・・・これが嬉しくないブロガーなんているだろうか?(いた
いや嬉しいはずだ。物凄く嬉しいはずである。アフェリエイトなどとはまったく質の異なる喜びがある、はず。(いやアフェリエイトもまだやった事ないんだけどもw)
そうだとすると・・・
この投げ銭で受け取ったポイントの「使い道」ってあるだろうか?と思うのである。つまりこの嬉しさに見合う商品なんてあるだろうか?と。
いや無さそうだ。物凄く萎えそうだ。何と交換したとしても納得はいきそうにない。「あれがこれか・・・」ということになりそうだ。
で結局のところ投げ銭で得たポイントの最も良い使い道は「投げ銭として使うこと」になるんじゃないかと。そういう結論になる。というかこれしかその嬉しさに見合う使い道なんてないんじゃないかと。殆どのブロガーはブログの最も良き読み手、でもあるわけだから。そもそも相当な有力ブロガーでもない限りその額は一桁二桁せいぜい三桁、の世界だろうから円に脳内変換することさえも憚られるんじゃないかと。
という事で納得してもらえたかどうかは分からないのだけどこの「投げ銭をするのも受け取るのも同じブロガーである」というのが正しいとすると二つ思い当たる事がある。
伝播投資貨幣PICSY」とグーグルのページランク評価システムである。




伝播投資貨幣PICSY」】
について
貨幣とは?経済とは? - ぶろしき
ここで書いた。引用してるとこも含めて引用してみる。

何かサービスを提供することを「貢献」と呼ぶならば、医者が患者を治すことも、ラーメンを売ることも、「貢献」ということになります。医者が患者を元気にし、元気になったことにより患者がラーメンをサービスできるわけですから、「貢献」の伝播が起きていることになります。「貢献」の伝播と収入の伝播はちょうど逆向きの流れになります。

 貢献の伝播:医者→患者→ラーメン屋の客
 収入の伝播:医者←患者←ラーメン屋の客

これがこの貨幣のシステムが想定している伝播のイメージだ。この伝播が何らかの評価システムによってほぼ自動的に行われ、貢献の分がどんどん伝播していくと・・・ちょっと考えれば分かるがその伝播には「終点」というものが基本的にありえないのである。ここでは直線として描かれているがこれは間違いなく円の構造、循環になる。だとすると究極的にはそれが実体としての貨幣を持つ必要がまったくなくなってしまうのではないかという事。それはいつまで立っても「数字」のままで社会の中をひたすら循環するのみ。そういうものになるような気がする。
だがこれもよく考えてみると本来の貨幣とはそういうものなのかもしれない・・・単にひたすら回っているだけで決して実体のあるものではない、と考える事もできる。

PICSYで想定しているイメージの医者、患者、ラーメン屋の客、を全部ブロガーに置き換えてみる。


 貢献の伝播:ブロガーA→ブロガーB→ブロガーC(矢印は書き手と読み手の関係)
 収入の伝播:ブロガーA←ブロガーB←ブロガーC(矢印は投げ銭


これ投げ銭がどういう流れを作るかの一つのモデルになるんじゃないかと思ってる。要するにブロガー間をグルグル回る事になるんじゃないかと。
ここでかなり肝だと思うのがはてなが受け取る手数料の5%。もし同じところをグルグル回ってるだけだったとしても動くたびに5%づつ減っていくので全体として見ると儲かってるのははてなだけって事になるかもしれないというw
(これに近い話として「花見酒」という落語がある、らしい。八つぁんと熊さんが酒樽真ん中につるして、そこで八つぁんが熊さんに十文渡して「一杯飲ませろ」という。熊さんは飲ましてやる。で自分も飲みたくなった熊さんが今度は八つぁんに十文渡して一杯飲む。後はこの繰り返し。金は二人の間をグルグル回っているだけ。でも酒はどんどん減っていくし二人は酔っ払ってくる・・・。これがどういう事なのか今だによく分からないんだけどこの5%もよく分からないとこがある)






【グーグルのページランクシステム】
次にここのコメント欄で教えてもらったGooglePageRankの分かりやすい解説記事。
2005-04-01
プログラムとかさっぱりなオレでも面白かったのでぜひリンク先読んでみてください。
で一回読んで大体理解できたら次に「リンクがはられている」を「お気に入りとして読んでいる」に、「ちから」を投げ銭として使う「はてなポイント」に置き換えて読んでみて欲しいんですよ。そうすると更に面白いと思うんで。グルグル回るっていうのがどういう事かがより深く理解できると思います。
ただ重要な違いとして
>A,B,Cに、最初、100のちからをあげよう。
この前提は成り立たないって事に注意が必要だと思う。
はてなのシステムでは一先ず300ポイント以上持ってないと投げ銭する事ができない。(送信後の残高が300ポイントを下回る場合は送信できない)ここにまずハードルがある。(このハードルは結構高い、とオレは思う)
で当然300ポイント以上あっても送れる額は平等ではない。
という事なのでページランクのように分かりやすい話にはならないし、この前提の違いは投げ銭システムがうまく回るかどうかの重要なポイントになりそうな気がする。




【で一応の結論】
投げ銭システムがうまくいくかどうかはそれにどれだけの人が参加するか、で決まってくると思うけどそれにはまずは受け取ったり出したりっていうのをできるだけたくさんの人が経験してその行為が「普通の事」として認知される必要があるんだと思う。
で、有力なブロガーには投げ銭はやはりそれなりに集まると思うのだけど
投げ銭システム、実装してみた: R30::マーケティング社会時評
はてなの「投げ銭」システム開始 - さっそく埋め込んでみました。 | デジモノに埋もれる日々
こちらのR30さんとことデジ埋のCKさんの投げ銭システムを報じる記事で、R30さんは「ポイントは貯まるに任せておくことになりそうだ」って事でつまり貯金、CKさんは「デジモノに変身して、製品レポートの源になったり」という事なのだけど(いかにもw)これにちょっと待ったをかけたい。
いやもちろんどうしようが好きにして良いに決まってるのだけど、できたら強力なハブになってる人にはまず最初のうちは”撒き餌”をして欲しいんですよ。オレの考えでは

  • 投げ銭で得たポイントは投げ銭で使われる可能性が高い(滅多にされない人ほど嬉しさも大きい、小額な人ほど使い道もない、のでなおさら)
  • のでまず集まってくるところの人が積極的に小額でよいのでできるだけたくさんの人に投げ銭をして多くの人に「経験」をさせる。
  • そういう経験をしてその行為を普通のこととして認知する人が多くなれば投げ銭として使われるポイントの総額が増える。
  • となれば結局は強力なハブになってる人のとこに大きくなって返ってくる。

という事で今のうちはどんどん回した方がいいんじゃないかな〜と思うわけです。金は天下の回りもの、ならぬ投げ銭ポイントはブログ界の回りもの、じゃないかと考えられるので。
(ただ一つネックになってるのはやはり動くたびに5%引かれるってこと。大きくなって返っては・・・来ない可能性も高い)
要するに

  • 強力なハブになってる人はここみたいな零細ブログに投げ銭回してください*1

という結論。(って結局これが言いたいが為の長文記事だったのかw)

*1:といってもオレははてなポイントを1ポイントも稼いだ事がないので現在0ポイント。このままでは投げ銭されても回せない身分だったりする(泣)のでとりあえず人力検索で質問に答えたりして300は自力で稼がないとどうしようもない状況。