「はてな=ネットのテーマパーク」説

Googleとはてなについて小一時間考えてみた。 - Wandering between the Top and the Bottom
好むと好まざるとにかかわらず - 「糸井重里>>>>>(越えられない壁)>>>mixiとかはてな」という現実
したらば元社長日記 - はてなって何がすごいのかわからない


この辺で語られているはてなの凄さとかそれが宗教的な印象を与えるとかいうことについて考えていること。(タイトルはここから拝借
オレは技術的なことはさっぱりな人間だけどもやっぱりはてな凄いと思っているクチ。ジグソーパズルのピースがどんどんはまっていって、その度になるほどな〜、う〜ん凄いなーと唸ってきた。はてなを始めてからそんな感じがもうずっとある。でこのジグソーパズルというが毎度お馴染み『ぼくたちの洗脳社会』の未来予測だったりする。
ってことでここでもこの本から関係するとこ引用しつつ書いとこうと思います。




http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/bokusen/senno3.html

○「洗脳力」のある企業
現在も自由経済競争の原理が崩れ、自由洗脳競争の時代に入りつつある兆候はそこかしこに見られています。
例えばディズニーランド。
ここはバイト不足に悩んだことはありません。あんなに就職したがらない若者たちも、ディズニーランドには就職したがります。これを見て一般企業はCI戦略を考えてみたり、テレビで自社のイメージCMを放映してみたりします。が、これは「これからの男は金じゃない。中身だ!」と言われて、服や靴を買うようなものです。確かに身だしなみに気を使うことは清潔感やまじめさをアピールする上で多少効果があるかもしれませんが、これだけで何とかなると考えるのは大間違い。

例えば普通の企業にはなくて、ディズニーランドにあるものは何でしょうか。みんなが持っているディズニーランドという職場に対するプラスのイメージです。お金儲けではなく、人々をとことん楽しませようというコンセプト。明るく楽しそうな職場。才能に応じて様々なことにチャレンジさせてくれそうな開かれた感じ。アメリカ的合理主義による整然とした運営方針。
別にディズニーランドがそんな職場だといっているのではありません。そうではなくて、みんな何となくそんなイメージを持っているということが大切なのです。こういうプラスイメージが現代では資本力よりも大きな力を持ちつつあります。
私はこういうプラスイメージを、「資本力」に対して「洗脳力」と呼びます。洗脳力のバロメーターは、就職希望者数だけではありません。必要ないものを買わせる力も、その現れです。

これからの社会において重要なのは「 資本力」でなく「洗脳力」、有効なイメージ。ここで例としてディズニーランドを上げているのはその後の話とも絡んで大事なポイントなのだけど、ディズニーランドのイメージとして語られている


>お金儲けではなく、人々をとことん楽しませようというコンセプト。明るく楽しそうな職場。才能に応じて様々なことにチャレンジさせてくれそうな開かれた感じ。アメリカ的合理主義による整然とした運営方針


って結構はてなのイメージとしてもある気がする。

○架空企業「S.D.L」
ここで少し、経済影響力がもっと小さくなって、洗脳影響力がもっと大きくなった近未来社会を考えてみましょう。その社会にそのとき巨大な洗脳力を誇る、ある団体が存在するとします。仮にこれをスーパーディズニーランド(S.D.L)と名付けてみましょう。別にこの団体は、遊園地を経営してるわけではありません。コンピューターソフトの開発をしているかもしれませんし、酒を造っているかもしれません。

S.D.L.は殆ど全てのスタッフがボランティアです。それでも参加希望者は後を絶たないので、他の団体や企業より優秀な人材が集まります。スタッフは無給ですが、宿泊施設や食堂が完備しているので、当座困ることはありません。
S.D.L.のほとんどの敷地や設備も、様々なところからの寄付や無料貸与によってまかなわれています。従ってS.D.L.の維持費は他に比べ異常に安いと言えます。それに伴い、営利を目的としないS.D.L.の生産品も破格の安さです。
S.D.L.は経済的に見ると、資本金も資産も取るに足らない小さな企業です。が、人々に対する影響力、つまり洗脳力では爆発的な力を持っています。これが洗脳社会に置いて、優良な会社です。

「ちょっと待った。そんな組織、会社って『カルト教団』じゃないのか?」と思われる方も多いでしょうから説明します。

現実はまだここまでは来ていないとは思う。でもここで想定しているS.D.Lという未来の企業の特徴もかなり当てはまっている感じ。ボランティアによって、つまりユーザーが積極的にタダで参加して支えている部分とか『>資本金も資産も取るに足らない小さな企業です。が、人々に対する影響力、つまり洗脳力では爆発的な力を持って』るとことか。
で最後のところで書かれているようにこういったものにある種の宗教的な感じ、悪く言えば『カルト教団』のようなイメージを持つのは少なくとも現時点ではまっとうな感覚なんだろうなと思うのだけど、この「○○は宗教である」という時の基準、何を持って宗教と人は感じるのか、ということについて少々。
まず過剰なあるいは異常な投資、というのがある。それを見てなぜ過剰であったり異常に見えるかというと「見返り」が明示的でないから、なのだと思う。おおよそあらゆる投資は見返りを求めて行われる。だから見返りの部分が明示的でないとあるいはそれが分からないとそれを見ている人には過剰な投資にみえる。引っ掛かり感じる。
ブランド信仰という言葉があるが、たかがバックに何十万も払うのは明らかに過剰な投資。でもその投資の過剰な部分はブランドというまさに「有効なイメージ」を買っているわけなのでちゃんと見返りはあるのだ。ただそのブランドの「有効なイメージ」というのがある特定の人達に共有されているだけの幻想なわけなので、それを共有していない人からはそれが見えない。分からない。のでそれは過剰な投資と映りそれが信仰、要するに宗教的な感じをはたから見ている人に与えるのだと思う。

これからの企業にとって、生き残る為に最も大切なことは洗脳力と言えます。現在でも、企業ごとに洗脳力は大きな差があります。また、人々の心に潜在的に存在するイメージも会社によって違います。私はこれを、経済資本に対して幻想資本(イメージキャピタル)と名付けてみました。

これからの企業は、幻想資本がなければ誰も雇えないし、仕事も取れないし、商品も売れない、株すらも売れない、と言う状況になります。洗脳力というのは、CIやブランドイメージではありません。あえて言うなら、会社のキャラクターやイメージリーダーという感じでしょうか。従って、単純で具体的であることが大切です。
その為、安定した大企業で会社の顔が特定できないようなところは、高い洗脳力や豊富な幻想資本を持つことが大変難しいと言えます。
逆に、小さいけれども急成長していて注目を浴びやすいベンチャー企業などは、洗脳力を持ちやすいでしょう。こうしたベンチャー企業には、たいてい伝説の創設者や伝説の事件、みたいな話が伝えられていて、それがその企業のイメージを代表しています。(APPLE社が有名な例です)
こうしたイメージキャピタルを利用して、スタッフやボランティア、スポンサーのサポートを使い、新しい商品を売り出したり、新しい戦略を打ち立てたりするわけです。そして、その商品や戦略によって、より強固な、もしくは、別の新しいイメージをまた作り出します。近代の企業がお金を投資して、より多くのお金を獲得するように、洗脳企業はイメージキャピタルを投資して、より多くの、より良質のイメージを獲得するわけです。

ITmediaニュースでのはてなに関する記事なんかは伝説化という感じが強い。会社の顔も物凄い見える。
この辺も凄く興味深いが、問題ははてなのこういった有効なイメージ、幻想資本はいったいどうやって生まれたのか、というとこに行き着くんだと思うのだけど『したらば元社長日記』で書かれているように技術的に優れていたから、というような単純な話にはならないようだ。
ということはやはりこの有効なイメージは(よく言われているように)はてなの社長近藤淳也氏に、つまり最終的には人、個人によっているのだと考えられそうだ。「はてならしさ」とか「はてなの思想」というのは要するに「近藤淳也らしさ」であったり「近藤淳也の思想」であったりするんだろうと。でそうだとすると・・・これが何を意味するのかというので今「徳治思想」というのにちょっと注目している。ここでいう「徳」というのがこの幻想資本の源泉になるのではないかとかあるいは性善説であるとかその辺が結構引っ掛かってるかな〜と・・・
ってちょっと話がずれたなw




あともう一つ同じく岡田斗司夫『東大オタキングゼミ』の第1章「テーマパーク」もとても面白い。これはもうホントに色々と興味深い話ばかりなのでぜひリンク先読んでみて欲しいです。『本能によるマーケティング』という環境管理の話だったり色の使い方とかなんかはネットを考える上でも参考になるんじゃないかと思う。
で要するにはてなとはこの中で語られている「テーマパーク」というのが近いのではないかなと。次々に打ち出されるサービスとはアトラクションであり、ディズニーランドが常に工事中で「永遠に完成しないテーマパーク」であるようにはてなも常に新しいサービスや仕様や不具合を直し続ける永遠に完成しないネット上のテーマパーク、なんじゃないかなと。
ってことでなんかあんまりまとまってないですけどこの「はてな=ネットのテーマパーク」説というのを控えめに唱えときますw
続き・・・






◆関連記事
http://d.hatena.ne.jp/dogplanet/20050517/p1
http://d.hatena.ne.jp/dogplanet/20050513/p1
あんま関係ないかもですけど犬惑星さんのこの辺のディズニーランドの話もめちゃ面白いです。