新ドミノ理論

え〜悲しいかな前回の記事に誰からも反論批判がなかったので一人さみしく自分で自分に突っ込みを入れて自分で答えておきたいです。
一応ここが突っ込みどころかなと。

つまりそれは中韓がかつての日本の戦争の「大義」を多少なりとも認める、という事になるのではないのか。唯一その構造に気付き行動したその大義の部分を、である。

そんな事はありうるのだろうか?
という事で以下この可能性について。




【中国の体制維持は不可能】
まずちょっと前の中国における暴動、それに対する日本人の感想をまとめたおいらブログさんの記事。
http://mitsu.cocolog-nifty.com/blog/2005/04/post_f6e2.html
非常に面白いです。後半爆笑してしまったんですが、それはともかくここで注目したいのは「体制崩壊の予兆だよ」「革命前夜だよ」派の予測。
実際のところどうなのか、という事についてはあまり興味はないし分からないのだけどこの予測がどういう根拠で言われているかというと、

  1. 元々国民国家として巨大過ぎる。
  2. 政治は共産主義で経済は資本主義という体制の矛盾

の二つが大きな根拠になっているのだと思う。
まず1については(おいらブログのまとめでは「1つに纏まってるのが不自然だよ」派)こちらの極東ブログの記事が参考になります。
国家の適正サイズ: 極東ブログ
国民国家には「適正サイズ」というものがあるのではないか。そしてそれはその国の総人口ではかれるのでは?というような話。で、

こうして見ると国家の適正サイズというものがありそうにも思える。一つの国民文化なりが維持できるのが一千万人程度であり、二千万人程度で取り敢えず意義のある軍備がもてるようになる。国土や歴史の問題もあるのだろうが、二千万人から四千万人というのが近代民族国家の適正サイズだろう。

という事。
そうだとするとこの四千万人という数を超えた国家にはかなり「無理」が生じていると考えられる。日本が一億、アメリカが3億、でもって中国13億人・・・という事で桁が違う。つまりそれだけの無理が生じているはずなのに更に政治体制と経済体制の大きな矛盾というものが広がっていけば現在の体制は維持できないだろうと。そういう話なわけです。(・・・多分)
これは少なくとも長期的にはまず間違いない話であって問題は「いつ」「どのように」という事なわけですが、ここで問題にしたいのは中国において体制が変わるという事が何を意味するのか、という事。




【中国が親日になる可能性】
中国の歴史は易姓革命の歴史である。
であるがゆえに歴史は常に一代限りで分断し、そして新しくできた政権は前政権の業績を徹底的に否定する、事によってしか自らの正統性は保障されえない。
これは中国における一つの法則のようなものだと考えていいものだと思う。
ではもし仮に未来において「それ」が起こったとして、その時前政権(つまりは現在の共産党)の正統性はどのような思想の基に否定されるのか、というのが問題になる。これは逆に言えば現在の中国共産党の中国の統治者としての正統性は何によって保障されているのか、という事だ。
その正統性の最も重要な柱であると思われるのが、野蛮な侵略国家日本と戦い追い出したというある種の「物語」なわけである。だから中国共産党にとって日本は悪ければ悪いほど逆説的に自らの正統性が補強される、という構図になっている為、共産党政権である限り中国から反日ははずせない、と言われているわけだ。
であるとすれば・・・
現政権の正統性を否定する、という事はこの物語の「前提を覆す事」になると思われ、そしてここでの物語の前提とは「野蛮な侵略国家、日本」というところにおそらくなる。
つまりは・・・
ここにおいて未来の中国(国名はともかく)が反日から180度転換した「親日になる可能性」というものが出てくるわけだ。




親日ドミノ理論
という以上の話を前提にやっと本題。
ドミノ理論というものがある。
はてなキーワードでも紹介されているhttp://homepage3.nifty.com/hirorin/bookkiben.htmが分かりやすい。

ドミノ倒しのように、「Aが起きればBが起きる。Bが起きればCが起きる。Cが起きればDが起きる……最後にはZが起きてしまうので、Aを阻止しなくてはならない」と主張する手法。ベトナム戦争当時、アメリカがベトナムへの介入を正当化するのに用いた論法だ。

というもの。
特に注意が必要なのはこれが『詭弁論理学』という本で紹介されるような理論である事と、この時提唱された最後に起きる「Z」というのが「世界が赤化する=共産主義圏となる事」である点。以上を踏まえた上でここで提示する親日ドミノ理論の中身は


(A)中国で政権交代が起こると親日になる
(B)中国が親日になるとアジアの周辺諸国親日になる
(C)アジアが親日になると理想的な東アジア共同体が出来上がる
(D)東アジア共同体が出来上がるとアメリカの覇権国家としての正統性もアヤシくなる。
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(Z)国際秩序の大規模な再編


というもの。
最後の結論についてはこれが望ましいものなのかどうかは分からない。これは下手をすると「乱世」になってしまいかねないので、これがいいのかどうかについてはここでは問題にしない。重要なのはこれがアメリカの立場で考えるとどうか、という視点。
アジアが親日化する事で最も困るのはアメリカであるという事。そもそもアメリカが現在の覇権国家としての地位を確立するに至るそのルーツとはアジアにおいては日本、欧州においてはドイツという「野蛮な侵略国家」を打倒した事によっている。
それならアジアにおいて単純な被害者というものがいなくなるとアメリカの覇権国としての正統性、も半分位揺らぐ事になる。特に空襲や原爆投下という恐るべき所業をなしたという事実も改めて問われかねない・・・。


要するにこの記事の主題は何なのかというとアメリカにとって中国の親日化がいかに脅威であるか、という事。更に中国における政権交代は必ず親日化という要素を含む、という予測が正しければそもそも政権交代自体がアメリカにとっては望ましくない、という事にもなる。
そしてこの構図がまるでドミノ理論のようだなと思ったので、つまりこれはひょっとすると将来アメリカが主張するかもしれない予測の予測だったりする。
いやもしかするとひょっとすると今だって・・・




という事で可能性に可能性を、推測に推測を重ねた飛躍しまくった話ですがとりあえずおいらブログの樹形図の中の「アメリカの陰謀だよ(いつものCIA陰謀派)」に一票入れておきたいです。(←何かオチ付けないと気がすまなくなってる人)