2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

続・「空気」の研究

登場するのは明治期を代表する法制官僚・井上毅である。井上による明治憲法草案の第一条は「日本帝国は万世一系の天皇のしらすところなり」だった。この“しらす”という古語を漢語的表現の“統治”にかえて「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」という条文…

多義的な義

『「義」の字は「我」と「羊」である。「羊」とは「美」と同義である。ゆえに、「義」とは「我を美しゅうする」との意となる。繰り返す。「義」とは、正に「己にとって美しく生きる」ということなのである。』 「義風堂々2」(原哲夫・堀信彦・武村勇治、20…

儒教と道教

アラスデア・マッキンタイアは『美徳なき時代』でそうした「不一致」をおおよそ次のように分析する。 マッキンタイアによれば、私たちが実際に住んでいる世界の道徳言語は無秩序に陥っている。伝統的道徳概念の断片を寄せ集めたにすぎないものを各々が手に取…

人はなぜ山に登るのか

「そこに山があるからだ」 と登山家が答えたという話はあまりにも有名。 これが名言として名高いのは、それ(ここでは山に登ること)が他の何者にもよらずそれ自身として価値があることを、極めて簡潔に言い表すことに成功したからだろう。 『二コマコス倫理…

(3)人間にとっての温度とは何か

http://matome.naver.jp/odai/2139987707849953901 お前ら「温度」って何かきちんと説明できるの? http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/maxtemp.html 温度とは何か:負の絶対温度をめぐる疑問など - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日…

(2)文化人類学的の不能

こないだテレビ観てたらなぜか放送大学でチャンネルが止まって、それが文化人類学の講義だった。 インディアンの古老に話を聞きにいった様子が映し出され、やはりというかなんというかホントに好きだね。インディアンの古老が。 それで食べているプロの古老…

(1)哲学的問題

http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/saibokogaku/kairoudouketsu.html 哲学は非常に難解であるにも関わらず、なんとか理解してようやく辿りついた結論らしきものはたいてい「当たり前」なものでしかない。これはもうすでに哲学的結論を前提にした世界…