(4)デジタル・ディバイドの二つ目の境目、をはっきりさせる質問

Japan Blogger Conferenceに行って来た。
・・・というのはもちろん嘘でオフレポを色々読んだ。
http://ash1no0to.dyndns.org/htdocs/archives/2005/12/japan_blogger_c.html
こちらで大体の概要が把握できる。
でこれ読んで非常に興味をそそられたものがあったのでこの記事を書きたくなった。




好むと好まざるとにかかわらず - 【匿名実名】デジタル・ ディバイドの二つの境目
タイトルのネタ元はこちらの記事。
デジタル・ディバイドとは「情報格差」により発生する経済格差の意。通常の文脈ではどうやらネットに繋げられる、そこから恩恵を受けられるかどうかというインフラに関するものが多いようだ。
けどより重要で本質的な境目はもっと別にある、というのが上記の記事。

もう言いたいことは判ると思うけど、ネット利用者の間にももう一本境目があるみたいなんですよ。それがネットをリアルの足場としても使える人とネットで完結せざるを得ない人の間

ネットに繋げられれば情報強者、なんてのは嘘であってそれはオレ自身のことを考えてもはっきりしている。あるいは話題になった例の本でも「ネットを趣味としてより多くの時間を割いているのは下流」なんてデータもあってこれは感覚的にも理解できると思う。
なのでより重要な格差、境目になりうるのは

  • ネットをリアルの足場としても使える人とネットで完結せざるを得ない人の間

にあるというのにまったく同意。
とそこでジャパンブロガーカンファレンスになるのだけどその中でされた次の質問、と答えが非常に興味深かった。

  • 会話より文章の方が得意

一見何の変哲もない質問・・・のようだけどこれがどうやらデジタル・ディバイドの二つ目の境目、をはっきりさせる大鉈になりそうなんである。
この質問がパネリストの9人のうち少なくとも6人にされたようなのだけど結果は
No =5人
Yes=1人
・・・意外だ。「ブロガー」カンファレンスであるのにも関わらず殆どの人は書くのより話すのが得意と考えている。もちろんこういうとこに出てくる人が話すの苦手では困るわけだけど・・・これはあくまで自分の中では、という話だ。
でこの質問にNoと答えることが何を意味するのかと考えてみるに

  • リアルの方がネットで見ているオレより凄いよ

ということではないのかと。ざっくりと言ってしまうとそういう事になる。でもちろんYesと答える人はこう。

  • ネットの方がリアルのオレより凄いよ

というわけでここにデジタル・ディバイドの二つ目の境目がはっきりと現れているように思った。この質問へのYesとNoの間、にそれはありそうだ。
リアルかネットか、ネットは手段なのか目的なのか、実名がいいのか匿名がいいのか。
あるいはこのジャパンブロガーカンファレンスというものが、そしてその中で大きな議題の一つになったらしい「ネットのリアル化」というのがどういった動機、目的の人達によるどういう文脈の話かという。現実の社会的立場をそのまま持ち込んでそれが利益になる人、なんだろうなという。*1
で。
もしこれが一般論としての正しさ、でいうのなら結論は多分出てる。勝負であるなら勝敗は見えてる。それは唯一Yesと答えたcatfrogさんが何だか落ち込んでいるのでもはっきりしている気がするwし長い目で見ればネットのリアル化は不可避であるとも思う。
だけど「一般的な正しさ」と「私にとっての幸せ」が一致するわけではない。例えば結婚することは一般的に”正しい”ことだが結婚すれば「私」が幸せになるわけではない。
ネットのリアル化が”正しい”方向だったとしても上の質問に10回ぐらいYesと答えたいオレの幸せには百害あって一利しかないかもしれないということ。
リアル化というのが実名化とほぼイコールである文脈なのだとしたらなおさら。




ということで「会話より文章の方が得意」という質問は自分がどちらの立ち位置か、どっちが自分にとっての幸せかを把握するのに良い質問になるかもしれないと思った。ので考えてみると面白いかも。*2
大西 宏のマーケティング・エッセンス : ブログの住民たちはどちらが素顔か?
もっとも単純なYes−Noにはならないかもという辺りで、こちらの記事なんかは面白いですけど。

*1:ってこれはもうちょっとちゃんと書かないと分かりにくい。けど長くなりそうなんでこれについては改めて別エントリにて

*2:ただこの話はあくまで現状のネットがテキスト全盛である、というのが前提。この前提が変わるとまた話は変わってくる