シマ・ウチュウ

それにしても今回の2ちゃんねるのあれはくだらなかった。

これとか読んでももう思いっきり運営サイドの意向があってのことだったみたいで、意図的に煽っている。
ギコネコだとか、のまねこなんかがあくまで企業を相手にしていたのに対して今回は殆ど個人に攻撃が向いている。
そもそも2ちゃんねるってなんなんだろ? ひろゆき氏個人のやっているあくまでも個人サイト、って前提はホントに成り立つのか。膨大な運営費と当然のようにそれに比例する膨大な収入があるんだろうが、いったいこれが会社でないというのがどういうことなのか。分からない。
この騒動を企業のやっていることだと仮定してみるととたんにグロテスクな構図になる。企業が客を煽動して個人への中傷、嫌がらせを行って利益を確保しようとしてる、という絵になるわけだ。企業でないとしたらヤクザだとか右翼の街宣車の活動とかそういう位置付けになるんだろか。

こちらはつまり企業などに不都合な、というか根拠ない誹謗中傷などをネットから見つけだし、削除の手助けをする会社が存在し、それが2ちゃんねると提携しているという話である。

実は2chが根拠ない誹謗中傷であってもそのまま放置しているケースが多々ある。そういう書きこみを放置しつつ、この株式会社ガーラに書きこみを探させ、企業から依頼があれば削除する。自分たちの管理不徹底で火を消さないどいて他人に「貴方の財産に火がつく恐れがあります。今すぐ消火器購入を」と言っているようなものだ。そこにはたして問題はないのだろうか。

世間では「電車男」で大騒ぎしているが、この掲示板2ch何か闇がありそうである。

とあやしさ満載なんだけども、ただそこに何がしかの仁義というかギリギリ矜持のようなものがあるのかどうか。

ネットというのは言わば魂しか存在しない世界である。肉体は存在せず、したがって生も死もなく、(少なくとも最近までは)お金も動かない世界である。だから、そこで長く暮らしている人格・そこで生まれたコミュニティは必然的に現実とはかなり異なる倫理感覚を持つことになる。

 それは生命や危険を顧みず(どうせネットで何やったって死なないから)金銭を汚しとし(どうせネットで何やったって儲からないから)何よりも礼節を重んじ侮辱を許さない(それだけがネットにおける“リアル”だから)というものだ。つまり良く言えば武士道精神的な、悪く言えばヤクザな倫理である。そう、なんかそんな台詞あったなと思ったらジョジョ5部のギャング、ポルポだった。

この辺も読んで思い当たったのが闇市とヤクザ(テキヤ)の歴史。今の状況と凄く近いのかもしれないと思った。
テキヤとは「縁日、祭礼などの人出の多いところで見世物などを興行」する人のことなわけで、2ちゃんのジャーゴン香具師(ヤシ)というのがあるのは多分偶然ではない。
闇市は「戦後の混乱期に成立した特異な商業形態」で法的な秩序の成り立たない(法を遵守して闇市を利用しなかった裁判官が餓死してしまうという)そういう世界で、そこを取り仕切っていたのがテキヤなどの組織だったわけだ。(参考:闇市 - Wikipedia
そういう目で見ると結構すっきり理解できる気がする。体制側べったりな人が多いというのも、ヤクザの事務所にはなぜ日章旗が掲げられているか、と同じ理屈で理解すべきなのかもしれない。
現在のネット世界が現行法の及び難い、ある種無法な世界なので似てるのも当然、島宇宙はシマ宇宙なのだ、ということで一先ず。