新しいユーザー主導型コミュニティのかたち

微妙に続き。
匿名でやればうまくいくってわけでもなく問題はその先にあるわけでその辺について考えてみた。
で思いついたのが次の新しいコミュニティサイトのかたちみたいなもの。オレが理想とする何か。
ヒントになったのは、はてなの複数人編集ブログの存在。
http://d.hatena.ne.jp/ssmith/
http://d.hatena.ne.jp/catfrog/
http://d.hatena.ne.jp/anonymous_d/
http://anond.hatelabo.jp/
最初のないしょ話がはしりだったと思うけどそれから順を追って段々匿名化していったように見えるのがおもしろい。
でも今一つというか本来これが持っている可能性みたいなものを十分引き出せていないような気がした。これもっと面白くなりそうだなーと。
オーマイニュースのシステムってひょっとすると完成形に近かったんじゃないかと今思い始めてるんだけどあの市民記者(実名で記事を書く人)とオピニオン(匿名で評価する人)という制度を例にオレが考える新しいコミュニティのシステムを表現するとこんな感じ。

  1. まず実名でありさえすれば誰でも参加し記事を書けるようにする。(これはオーマイニュースだからで普通はハンドルネームで問題ない)
  2. そこで何らかの評価とか一定のハードルをクリアした者だけに匿名で論評できるオピニオンになる権限が運営者から与えられる。
  3. ここでの匿名というのは共通のIDのようなもののことで匿名というより称号とか役職名とか属性を現すようなものに。
  4. そしてこのオピニオンに運営上の、あるいはコミュニティ内部で起こる様々な問題の意思決定をさせる。

ポイントは匿名で書くことの特権化、という辺りか。
当然こういうシステムなら匿名的なオピニオンの方が立場が上、ということになるわけなのでオーマイニュースの理念とは食い違ってしまうわけだけど、これは市民ジャーナリズムだからとかはまったく関係ない「ユーザー主導型コミュニティ」の一つの方法論のような話なので別にいいのだ。
でこのオピニオン、特権的匿名者たちにコミュニティにおけるあらゆる決定をゆだねる、「主導」をしてもらおうという話になるわけだけども、

主導権を与えるかどうかは運営者が決めるんだから「主権」はないんじゃないかな。やっぱり。

前回何気なく書いたこれ。意外に重要なポイントなのだった。
現実における日本の政治は民主主義で国民主権なわけだけどこれは「日本の方向を決定する主導者を国民が選ぶ」という形式なわけなので、「主導権を与えられた政府」と「それを与える権限を持つ国民(主権者)」という関係になってるわけだ。
それならネットにおける「ユーザー主導型」コミュニティの形式がどうなるべきかははっきりしている。すなわち「主導権を与える権限を持つ運営者(主権者)」と「主導権を与えられたユーザー」という関係。ここははっきりさせておかなければいけない。
オーマイニュースの「市民記者」にしろはてなダイアリーで30日分日記を書いたものがなれる「はてな市民」という称号?にしろ運営者に選ばれ権限を与えられたというわけではない。基本的にはなろうと思いさえすれば誰でもなれるもの。この程度のものに主導する正統性があるとはとても思えない。確かに主導権を与えたのだという何らかの手続きが必要なのだと思う。
まずこの手続きをどういうものにするかというところが大きな鍵になりそう。
そして特権化=匿名化(共通IDみたいなもの)にしなければならない理由は前回も書いたけども要するにユーザーに主導させるってことはユーザーに政治をさせるってことなわけで、顕名では対立がひたすら深刻になっていくだろうことは明らかなわけで、意見の大勢を決めるだけなら匿名でなんら問題ない。むしろ匿名であった方が空気のベクトルが分かりやすいとかのメリットは多い。


と以上のようなものをイメージしてるんだけど、どうもこれが正解くさい。
2ちゃんねる→ブログ→SNSときてそれぞれの良いところをほどよく混ぜ合わせたって感じかな。実際の運用には細かいところの調整とか色んな仕掛けを考えなきゃいけないだろうからまだ基本の部分の話なんだけども。