国産み神話
天地のはじめ、まず高天原(たかまがはら)に、アメノミナカヌシ以下、イザナギ・イザナミまで七代の神々が生まれた。一同は、イザナギ・イザナミに矛(ほこ)を与え、国を作るよう命じた。二人が矛で海水をかき回すと、その先からしたたり落ちた塩が積もって、オノゴロ島になった。
二人はオノゴロ島に降りて、結婚の誓いをし、子を作ったが、蛭(ひる)のような子や淡(あわ)のような島しか生まれなかったので、どうしたらよいか神々に占ってもらった。すると、結婚の誓いのときに、女のイザナミのほうから声をかけたのがまずかったことが分かった。
そこで結婚をやり直し、男のイザナギのほうから声をかけたところ、淡路・四国・隠岐・九州・壱岐・対馬・佐渡・本州などの国土が生まれた。続いてオオワタツミやオオヤマツミなど、たくさんの神々を生んだが、最後にヒノカグツチを生んだとき、妻イザナミはやけどを負って、死んでしまった。
イザナギは嘆き、ヒノカグツチを斬り殺してしまった。それから、妻に会いに黄泉(よみ)の国を訪れ、まだ国作りが途中だから、帰ってくるように言った。妻イザナミは黄泉の神のところへ相談しに行ったが、いくら待っても戻らないので、見に行くと、イザナミの体には蛆(うじ)がわき、恐ろしい雷の神々が乗っていた。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~sak/dousojin/207.htm
ヒノカグツチ
神名
火之夜藝速男神(ひのやぎはやを)火之(ひの)は、文字通り、この神が火の神であることを表す。夜藝(やぎ)は、現代語の「やく」に通じる言葉である。だが、上代日本語の意味としては、「自ら火を出して燃えている」といった方が妥当である。速(はや)は、上代日本語において、名詞の前につく接頭語で、強調の意味を表す。男神(をのかみ)は、文字通り、この神が男性神であることを表す。
すなわち、火之夜藝速男神とは、「燃えている男の火の神」といった意味である。
火之荽毘古神(ひのかかびこ)荽(かか)は、現代語の「かがやく」と同じであり、ここでは「火が光を出している」といった意味である。毘古(びこ)は、彦と同じ単語であり、男性であることを示す。
つまり、火之荽毘古神とは、「かがやいている男の火の神」といった意味である。
火之迦具土神(ひのかぐつち)迦具(かぐ)は、「かか」と同様「輝く」の意であり「かぐや姫」などにその用法が残っている。また、現代語の「(においを)かぐ」や「かぐわしい」に通じる言葉であり、ここでは「ものが燃えているにおいがする」といった意味とする説もある。土(つち)は、「つ」と「ち」に分けられる。「つ」は現代語で「私の本」と言う時の「の」に相当する古語である。また、「ち」は、神などの超自然的なものをあらわす言葉である。
まとめると、火之迦具土神とは、「輝く火の神」一部の可能性として「ものが燃えているにおいのする火の神」といった意味がある。
カグツチ - Wikipedia