ソーシャルブックマークの可能性

ソーシャルブックマークのすすめの続き。


すぐ書いとくつもりだったのが寄り道している間にすっかり書く気が失せてしまい・・・やっぱり書きたい時がおいしい時、なんだな〜。
んでもソーシャルブックマークはそれ自体も面白いのだけどそれを語る文章も非常に興味深いものが多いので、それらを紹介がてら自分の中でまとめときたいです。
と言ってもここで紹介する記事、半分以上はてなブックマークここのはてなブックマーク検索なんかで見つけた記事だったりするんですが。しかももう2週間位前に見っけたものでちょい古いかもしれんのですが。なのでもう色々見てる人に新しい情報ないかもですが。
・・・とこういういいわけを書かざるをえなくしたのがはてなブックマークの罪なところ。




ソーシャルブックマークは何が凄いのか。いや単にやってて面白いというのもあるのだけどそれ以上に何だか革命的なものがあるようなのです。
その本質的な部分が「Folksonomyフォークソノミー)」という言葉が表す新しい分類の思想。これがいかに凄いものを秘めてるかというのは
http://textocean.com/article/47/folksonomy-basic

我々は遂に「カテゴリ」という堅苦しくもお仕着せのヒエラルキー構造との闘争を終え、Folksonomyフォルクソノミー)という武器を手に新たなる時代に突入しようとしている。ブックマークや写真を一定のカテゴリーに当てはめて管理していくのではなく、それぞれに「タグ」という属性を付与する自由を与えられた。

カテゴリ分けでは世界を認識できない。物理的な制約を超えて意味づけを実現するFolksonomy - Goodpic

つきつめると、「世界の意味は既に決まっているのか?あるいは我々が世界に意味を見いだすのか?」という哲学にもつながると。あるいは、誰かが決めた世界を「間違いがない世界」として認識するのがいいのか?ということにも。

この辺の熱い文章で分かります。特に下の記事が分かりやすくてお勧め。というかこの記事現在200users!(200人にブクマされている)
でこの分類というものについてはオレも何かあるなと思ってこの辺でも書いたんですが、結局分類とは思想である、という結論になりこのFolksonomyというものは「誰が」分類するのかという主語の変更、そしてそれが分類の基本的な前提を覆すのだ、というような話になるようです。そこでもやはり一つのキーワードになってるのが「主観」であったりもするのだけども・・・
で上の200usersを達成している記事のブックマーク画面この右側にあるタグの羅列。これが新しい分類の具体的イメージとなっている。(ちなみに同じタグが複数の人に付けられているものほど文字が大きくなっています)
で今気付いたのだけど上に英語、下に日本語という風に分かれてるんですね。これは英語上位の思想を表しているんだろうか(笑)ただこうして見るとこのタグ付け分類には日本語というか表意文字である漢字の特性が凄い生かされてるな〜という感じ。読むんでなくパッと見て掴めるという点が優れているなと。
ただ現状はてなにおけるこのタグは他のブックマークの記事と共有されていない、あくまでその記事に対するタグと個人的なブクマの中でのタグ、という事で他と共有しているのは自動的に生成されるキーワードでの分類の方である模様。
まぁとにかくこのソーシャルブックマークは分類に対する一つの革命であるってとこが凄い。




http://d.hatena.ne.jp/yukatti/20050222#1109077645
でここでははてなブックマークの陰謀が明らかにされてます(笑)真ん中辺の

はてなブックマークは、登録されたエントリーであれば、はてな外のWWWページにでもすべてはてなダイアリーキーワードを適用させちゃっているのが実はスゴイのです*4。この点、もっと着目されるべきですし、もしかしたらこの一種強制的なキーワード適用は強い反発を呼ぶかもしれません。

どういうことかというと、荒っぽく言えば、はてなブックマークはすべてをはてなダイアリーキーワードでつなげることができるのです。つまり、ものすごーく大げさに言うならば、ウェブの総はてなダイアリー化も可能である……ということになるのではないでしょうか。

ブックマークされた記事は別にタグを自分で付けなくてもこのはてなキーワードリンクによって自動で分類がなされていて、これがつまりそれまではてな内にのみ適用されていたキーワードリンクがブックマークされたWWWページ上の全てのページに適用される事になると。そこが凄いのだと。そういう話。
でそもそもこのはてなのキーワードというのははてなユーザー達がコツコツ作ってきたwikiみたいなものであって、ここには一つの究極の理想形が示されているような気がしてくる。つまり「人力検索」というものの究極の形が。
元々はてなというのは「人力検索サイトはてな」なのであって

はてなは、知りたいホームページのアドレスを、あなたに代わってホームページ探しの達人が調べてくれるサイトです。また、あなたがホームページ探しの達人なら、誰かの質問に答えることで、ポイントを手に入れることができます。

ここが出発点だった。
そうだとするとはてなの野望とは全てがハッカー達によって機械的にプログラミングされた究極の検索プログラムである「Google」に対する何か日本的なアンチテーゼ、なのではないかと。そこには理系と文系の理想的な融合、みたいなものがあるような気がする。
とにかくはてなというのはユーザーを単なるユーザーにしておかない積極的に共同作業へと巻き込んでいくとこが凄い。はてなユーザーは「客」ではない。参加している全ての人が意識するにせよしないにせよ一緒に「何か」を作っている。そういう感じがある。




メディアの中の人にとってのソーシャルブックマーク - naoyaのはてなダイアリー
でこちらの記事はこのソーシャルブックマークでの反響をメディアの人が気にしだしているという話。
これについてはデジ埋さんの
はてなブックマークが示す、ネット社会の時事ネタ意識 | デジモノに埋もれる日々
こちらの記事が非常に参考になります。
つまるところこのソーシャルブックマークは『他人が何に注目しているかが分かる』事で共通の認識、話題を作り出す。みんなが何を知っているかを知る事ができる、という極めてマスメディア的な性質を持ったものである事。ここが凄い。(何回目?)
この意味を理解する上では馬車馬さんとこでマスメディアの存在意義として端的に書かれている。
それでもジャーナリストは必要だ: マーケットの馬車馬

言い方を換えれば、いわゆる「マスメディアへの信頼性」というのは、「非常に多くの人がその新聞などを注目して読んでいることが信じられる」ということであって、そのコンテンツに対する信頼性ではないということになる。

こういう事なのだ。この「信頼」をソーシャルブックマークは演出する。もちろん現状ではあくまでネットの中でのみ、なわけだけどそうである以上マスメディアは多分これを無視できない。読み手が何に注目しているか、を知る事はマスメディアにとっては最も重要なデータであり、かつそれに非常に大きな影響を受ける事にもなるわけで・・・
つまりひょっとするとソーシャルブックマークによって初めてネットは社会に何がしかの影響力を行使する存在になるかもしれないと。それは直接的なものではなくマスメディアに対するフィードバックによる影響、マスメディアから社会への影響、という間接的なものではあるのだけど。
でこれがネットは新聞を生み出すのかへちょっとリーチしそうな予感がする。


という事でまぁソーシャルブックマークの可能性は非常に大きいように思うのでこれからも注目していこうと思ってる次第です。







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ブクマのブログの書き手に与える影響に関して。
2005-06-04 - MultiSynapse - リスト作成グループ
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fladdict.net blog: ポートフォリオとしての「はてなブックマーク」
とりあえず面白そうなブログを見つけたらブクマ検索してみるべし。
はてなブックマークが情報のわんこそばと化している件について。消化のためのひとつの方法としての「ひも分類」の提案。 - シナトラ千代子
色々問題もあり。
FrontPage - ソーシャルブックマークまとめサイト
まとめ。


http://b.hatena.ne.jp/uguisyu/
こちらではなんと人気ブログランキングに登録(笑)これはもう一つの個人ニュースサイトであると。