はてなの投げ銭システムについて色々考えてたら面白いアイディアを思いついた

前回書いた”きっかけ”がありすぎて何から書いて良いのかさっぱり分からなくなってしまった・・・のだけどとにかく書けるものから書いていく事にします。




http://column.chbox.jp/home/jienology/archives/blog/main/2005/08/15_082743.html
ウェブログ図書館館長が挑戦状を受け取ってくれたw
ひじょ〜に面白いのでぜひともリンク先読んで欲しいんですが、ここで提案されているアイディアは

 ネット上のヴァーチャル図書館であるところのウェブログ図書館の機能に絡めるならば、もっと代用貨幣としての波及的効果や遡及的効果をもたせては如何だろうか。
 具体的には、「ブログ記事群」(*2)という連なりに乗ったエントリーまたは乗る可能性のあるエントリーについて、投じられたポイントを前後に及ぼす機能を実装することなどが考えられる。
 たとえば A-B-C-D-E という記事群があって、エントリーBに対して投じるポイントがC,Dに及ぶ機能やAに及ぶ機能である。またEに対して投じるポイントは、後にE以降に連なるエントリーにも及ぶことになる。

というものでつまりは投げ銭された記事に対してそれに貢献している他の記事にもシステム的にポイントが自動的に伝播する仕組み、というような話。この話は基本的にはウェブログ図書館の機能として、という話なんだろうけど普通のブログにおいてもこれはありうるだろうか?
つまりある記事になされた投げ銭がリンクやトラバで繋がっている他の記事に自動的に伝播するシステム、というのは。
これは結構面白いかもしれない。しかし・・・オレはその貢献が明示されているものについてはシステムでなくあくまで人の手によってなされるべき、じゃないかと考えている。例えばこの記事に投げ銭があったとしてここでリンクしているそしてこの記事のネタになっているウェブログ図書館業務日誌の記事に対しては自動的にそれが伝播するのではなくあくまでその書き手がつまりオレが自ら判断して伝播させた方が良い、と考えている。
なぜならオレはこの投げ銭というものの最も大きな意義とは「情報の価値を自ら判断する」というところにあると思っているからで、ここをシステムに依存させたくない。して欲しくない。これは前にちょっと書いたグーグルよりはてなが好きというのと同じ理由。
だからこの話はあくまで

これはA(提唱者や発見者)またはB(紹介者や実装者)のみによるポイントの独り占めを緩和する仕組み

という本来様々な関係性の中に位置づけられているブログの記事の適切な評価のあり方、として読んだしそれは凄く興味深かった。でもそれはやっぱりシステムでなく人で・・・という主張をしようと思ったのだけど(というかもうしちゃったけど笑)ちょっと事情が変わってしまった。
かなり前に考えていたアイディアとこの話が繋がってちょっと面白いイメージが出来てきた。のでちょっとこの「ある記事になされた投げ銭がリンクやトラバで繋がっている他の記事に自動的に伝播するシステム」について書いてみたい。




トラックバックはなにが問題なのか】
もうずっと問題になり続けてる感のあるトラックバック。いったいなぜこんなに問題になるのか。というか何が問題なのか。その理由は実は初めからはっきりしている。
トラックバックによる記事の価値評価 - ぶろしき

そもそもトラックバックという機能に最初からあった問題は、被トラバ者に必ずしも利益がない、という事である。送った方はそこから観客が流れてくるのでアクセスUPになるが、送った相手のところへのリンクがない場合、相手にとっては必ずしも利益にならないどころか場合によってはマイナスにさえなりうる。ここにちょっと問題があるのである。

早い話がこういう事なのだと思う。トラバ者と被トラバ者の間の利益の不均衡。言及リンクなしトラックバック論争感想 - ぶろしきで書いた話もこのシステムにあらかじめ備わっていた不均衡を人の力で是正する、為に啓蒙する、けど結局うまくいかない、という話だった。
だからこの問題の解決とはつまるところ被トラバ者にいかに利益を還元するか、という事に集約できる。
そこで上の記事では次のような提案をした。

大体よく考えてみれば「トラバを送った相手の所から流れてきた観客の数」は明らかに相手の記事の力、価値に依存しているのであって、送った方の記事の価値はそこには殆ど影響していない。それはあくまでトラバ先のアクセス数、その中で強い興味を持って内容を深く読み込んでいる人の数、などによって決まっているはず、なのである。そうだとするとこの数字は本来トラバ先のポイントとして評価すべき対象なのではないのか?

現在はてなにはリンク元表示の機能があるが(「コメントを書く」ボタンを押すと見れます)この中のトラバ先から飛んできた人の数、を記事の価値を表すポイントとして相手のところに表示させるべき、なんじゃないかと思う。そうすれば被トラバ者の不利益を解消する事ができるし、そしてこれこそが記事の情報価値を表す最も公正で的確な評価の基軸になるんではないだろうか。そこにはアクセス数、トラバ数、記事の内容、その他全ての影響が程よく調和されているように思う。更にこういう意味付けがなされたトラックバックとはさかまたさんのいう「相手に与える事しかできない通貨」のようなものにもなると思われる。(最も実際はアクセス数との交換、になるのだが)

・・・どうなんだろうか?オレはこれすっかり忘れていたのだけど今読み返して見ると物凄く興味深いのです。いや自分の記事なんだけども(笑)




【リンクによるポイントの伝播】
引用部分では一応トラックバックとしているけどこれは要するにリンクによるポイントの伝播という事だと思う。自分のところにアクセスを流したリンク元、にポイント(ここでは仮想の)を還元する事が記事の適切な評価になるのではないかと考えた。
でこれを上の館長の話と繋げて考えるとこういう話になる。

  1. 記事(A)から記事(B)にトラックバックが送信される。
  2. 記事(B)を読んだ観客がトラックバックのリンクを踏んで記事(A)へ。
  3. 記事(A)を読んだ観客が投げ銭
  4. 記事(A)になされた投げ銭の何%か(例えば5%)がリンク元の記事(B)に自動的に伝播する・・・

さぁこれはどういう事なのか、何を意味しているのか。
ネットとは要するにリンクで出来ている。とにかくどんなページでもリンクという経路が確保されていなければ観客はそこに辿り着くことができない。
ブログに必要なのはコンテンツか?それともコミュニケーションか?(2) - ぶろしき

市場=ネットもしくはブログ界と考えると記事が商品、コンテンツとされる為にはそこにある経路が確保されていなければならない。ここでの経路とはつまりリンクの事である。
従って記事の中でリンクを張る行為とは相手の記事の「パッケージ化(コンテンツ化)」でありトラックバックとは自分の記事の「パッケージ化」である、と考えられる。
ここで最初の話に戻る。
どんな経路であるにしろそれらは最終的に「届くべき相手」に届かなければ意味が無い。ここでの「届くべき相手」とはその記事を何らかの形で評価してくれる人、である。この評価によってそのコンテンツには初めて価値が生まれる。

基本的に投げ銭をするのはそれに大きな価値を感じ評価する観客であり本来それが記事の「届くべき相手」と考えていいと思う。その届くべき相手に適切に経路を確保したリンク元には非常に大きな貢献がある。そこでなされた投げ銭のいくらかを受け取る資格が十分にある、考えていいのではないかと思う・・・。
とここまで考えて気付いた。
これってアフィリエイトじゃないか?
もしこのシステムが出来たとすると

みたいなものになるんじゃないのか?そういう世界にならないか?リンク元が受け取るお金とは要するに「紹介料」と考えられるわけで・・・。
という事でこの「リンク元へのポイントの伝播」というのは非常に面白いアイディアじゃないかと思ったわけです。
・・・。
とここで話は終わろうと思ったのだけどまだ終われない。
以上の話を踏まえたらもっと重要な可能性が見えてきてしまったんで。あの「手数料5%問題」がひょっとすると解決するかもしれないっていう可能性が・・・






投げ銭システムの別な収益モデルの可能性】
最初の記事で書いたようにこの投げ銭システムの大きな問題はポイントが動くたびに引かれていく「手数料5%」にあるとオレは考えている。おそらくこの投げ銭は消費には殆どいかずブロガー間をグルグル回る事になると思っていてだから回れば回るほど、動けば動くほど減っていくシステムというのは非常にまずいのだ。どうやら少なからず多くの人が同じように感じているようで館長も

本来の貨幣は、社会をぐるぐる循環する乗数の発想によって流通するほど増えていくはずなのに、どうも「はてなポイント」の場合は流通するほど減っていくらしい点がうさん臭い(笑)のである。

という事でおおよそ同意してくれているようだ。
大体この「手数料」というのが何に対する報酬なのかが分かりづらい。今のままだとこの「何だか不当な感じ」は払拭できなそうだ。これははてなにとってもおそらくよくない。
そこで上で書いた「リンク元へのポイントの伝播」なのである。これがもし可能になったとすると・・・
この投げ銭システムの秀逸な点ははてなブックマークと組み合わさっている、というとこだと思う。ここがひじょ〜に面白い。
投げ銭する事=ブックマークする事
投げ銭する人=はてなブックマーカー
なわけだ。(匿名で送信する場合すぐにブックマークは消すこともあるようだけど)
投げ銭する人は同時にはてなブックマーカーでもある。当然はてなブックマーク最近の人気エントリー注目のエントリーなどの一種のランキングシステムやあるいは人気ブックマーカーのブックマーク(お気に入り機能)なども利用しているのだと思う。
従って投げ銭する記事に辿り着く経路、としてこのブックマークによるリンク、を利用する人はかなり多いと思われる。
ここが重要なポイント。
要するにはてなはここでのはてなブックマークのリンク経由でなされた投げ銭、から手数料でなく「紹介料」を受け取るのだ。この紹介料なら極めて正当な報酬だと思われるのだがどうだろうか?投げ銭するほど価値のある記事(あるいはブログ)とそれが本来届くべき客、を繋げたのだから。
これについて今脳内シミュレーションをしてるのだけどこれはかなり良さそう。

  • 手数料は基本的に一切取らない。
  • 面白い記事はブックマークされ(あるいは投げ銭され)はてなブックマーク内にその記事への経路、リンクがどんどん増えていく。(ランキング、個々のブックマークなど)
  • たくさんつけば最近の人気エントリー注目のエントリーに上がって来る。キーワードやタグによる検索の精度も上がる。情報量もどんどん増える。
  • この個々のブックマーカーたちの労力によって選別、価値付けされた記事のはてなブックマーク内でのリンクそして検索機能。これを「利用する客」から紹介料を取るのである。
  • はてなブックマークはシステムによる選別であるグーグルとは対照的に人力による情報の選別、価値付けを行っているわけでそもそも個々のブックマーカーは既にはてなにかなり貢献しているのであって、そこから手数料を取るというのはやはりちょっとおかしい。
  • むしろ個々のブックマーカー達によって構築されたはてなブックマークの情報選別価値付け機能の利用者から取るべき、なんじゃないだろうか。
  • ブロガー間をグルグル回っているうちにどんどんはてなブックマークのシステムが優れたものになっていき、それによってその経路や機能を利用する人も増えて収益が上がっていく・・・という循環。


う〜ん、やっぱりこれ凄くいい感じw
最初のうち参加しているのは殆どがブロガーだとは思うけども・・・